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おせんべいの湿気ない保存方法をご紹介!

おせんべいの保存の仕方教えます!
日本人が大好きおせんべい。袋を開けると止まらなくなってしまい、3枚4枚と食べてしまうことありますよね。家族で食べればあっという間になくなってしまいますが、夫婦二人となると一袋全部は食べきれないもの。そんな時どうやって保存していますか?
一体どこが一番良いのでしょう?
「高温多湿、直射日光を避けて保存してください。」というのは教科書通りの回答ですが、これ実際どんなところなのでしょう?早速温度湿度計を持って、調べてみました。

1・テーブルの上
2・台所の棚
3・台所のシンク下
4・冷蔵庫
調査結果はこれだ!
それぞれ梅雨の同じ日の同じ時間に、どこにでもある温湿度時計で我が家の状況を調べてみました。ちなみに湿度が30%以下になると、おせんべいの袋が開きっぱなしになっていても、相当時間湿気ずにいることができます。

1・テーブルの上--- 55%
2・台所の棚--- 60%
3・台所のシンク下--- 80%
4・冷蔵庫--- 70%
どこも意外と湿度が高い!
みなさん結果をみていかがでしたか?何気なくおいているテーブルの上も意外と湿度が高いですね。ここは光も届きますし、温度の変化も激しい場所なので、保存にはあまり適していないようです。
台所の棚はしまいやすい場所ですよね。反密閉空間なので比較的保存状態が良いところだと言えます。しかし洗ったばかりの食器の入った棚ではグンッと湿度が高くなりますので注意が必要です。
うっかりしまって後悔するのがシンク下。ここは最悪です。湿気のオンパレードで、こんなところにおいたらたちどころにお煎餅は湿気てしまうでしょう。絶対におかないでください。
冷暗所の代名詞、冷蔵庫は温度こそ低いものの、湿度は高めです。野菜や飲み物など、水気を多く含んだ食材をしまうところなので、当たり前と言えば当たり前かもしれませんね。
一体どこに保存すればいいの~!?
以上の結果を見てみると、どこもおせんべいの保存に最適とは言えないようです。これでは安心しておせんべいを食べられませんね。どこか良い場所はないのでしょうか?
ここだ!若旦那が見つけた意外な保存場所!
そこで若旦那は見つけました!おせんべいに最適な保存の場所。そしておせんべいだからこそ保存できる場所でもある、意外な保存場所がこちら。「冷凍庫」です。
冷凍庫の湿度はなんと!
調べてみるとなんと湿度は??%温度はもちろん-14度!密閉されて光はとどかない、まさに冷暗所です。おせんべいを冷凍庫になんて、考えたことありましたか?
でも・・・凍っちゃわないの?
こんなご心配は当然だと思います。でも安心してください。おせんべいは焼いた後乾燥させているお菓子なので、中に水分はほとんど含まれていません。そのため凍ったりしないのです。そればかりか、食べたとき少しひやっとするだけで、冷たくて食べられないということもないのです。
ぜひお試しください!
湿気の多い夏場は、是非冷凍庫を活用してみてください!暑い夏にひんやりしたお煎餅は、冬とは違った風情といいましょうか、おいしさを楽しめますよ。騙されたと思ってお試しください!

おせんべいの賞味期限ってどのくらい?

知ってください!お煎餅の賞味期限。
おせんべいって長持ちするから賞味期限なんて気にしたことがない。どうせすぐ食べちゃうし。そんな方がとても多いようです。もちろんそれは間違いありません。賞味期限は長くて、すぐ食べてしまうなら気にする必要はないと言えます。しかしすぐに食べてしまわない場合はどうでしょうか?買ったけれど、ひとまずテーブルの上に置いておこうと、長い間置きっぱなしにしてしまい、食べてみたらおいしくないなんて、もったいないですよね。ここでは少しお時間をいただいて、お煎餅の賞味期限の話をさせていただきます。
いつ食べるのが一番おいしいのでしょう?
賞味期限の長いお煎餅、一番おいしく食べられるのはいつなのでしょう?普通に考えれば出来るだけ早く食べるのがおいしいのでしょうが、もしかして熟成させた方がおいしいなんてことも・・・。

実際に期間を分けて食べてみました。

・作ってすぐ
・作って1カ月後
・作って3カ月後
・作って6カ月後(賞味期限日)

食べてみた感想は3か月後まではほとんど変化がないのですが、賞味期限ギリギリになると醤油の味が薄く感じられ、生地も湿気たような食感になりつつあります。賞味期限は風味を保って食べられる期間ですが、だからといって出来たてのものと、6か月後のものでまったく同じだということではないのです。 やはり出来るだけ早めに食べるのがおいしいということがわかりました。
作り方で決まる賞味期限!
ところでお煎餅の賞味期限はどのようにして決まるのでしょうか?おせんべいと言っても大きく分けて3種類ありまして、普通のせんべい、揚げせんべい(油を使った煎餅)、ぬれせんべいです。普通のせんべいは90日~180日程度、揚げ煎餅は60日~120日程度、ぬれせんべいは15日~60日程度、です。揚げ煎餅は油を使っているので注意が必要です。保存状態によって鮮度が著しく落ちてしまうのです。油は光を浴びると酸化しやすくなり、温度が高いと弱りやすくなります。そのため、高温で光の当たるところに置いてしまうと、賞味期限内であってもおいしく食べられなくなってしまうのです。
まずはココをチェック!
お煎餅を買ったらまずは賞味期限チェックしましょう。その後、成分表示を見てサラダ油などのオイルが使われているかチェックします。そしてぬれせんべいかどうかを確認すればOK!今後の保存方法について考える準備が整いました。
ぬれせんべいは何故賞味期限が短いの?
ところで、ぬれせんべいの賞味期限はなぜ他のおせんべいと比べて短いのでしょうか?他のお煎餅焼いていますし、醤油も同じです。ただ、違うのは乾燥されていないという点です。これが賞味期限において非常に重要な点なのです。多くの雑菌は適度な水が存在しなければ増殖できません。つまり普通の乾いたお煎餅では増殖できない。そのため、賞味期限が90日~180日と長く保てるのです。逆にぬれせんべいは水気を十分に含んでいるため、長い期間保存することができないのです。ぬれせんべいをお買いの際は出来るだけ早くお召し上がりいただき、食べきれない分は冷蔵庫に保存するのが良いでしょう。
揚げ煎餅は保存がイノチ!
賞味期限とはうらはらに、非常にシビアな管理が必要になるのが油を使ったお煎餅です。とにかく早く食べることが第一です。痛んだ油は風味が悪いばかりでなく、胸やけを起こすようなえぐみがあり、まったくお勧めできないお煎餅になってしまいますよ。どうしても食べきれない時は「おせんべいの湿気ない保存方法をご紹介!」ページを参考にしてください!おいしさ変わらず長く保存することができます!
油断してはいけない普通のせんべい
せんべいだから安心と、いつまでもテーブルの上に置いておくと、知らず知らずの間に味が落ちてしまう普通のおせんべい。すぐには味が落ちないので、急いで食べる必要はありませんが、油断は禁物です。賞味期限が近付くと、ボソボソした食感になり、醤油の味も薄くなります。出来るだけ高温多湿を避け、光の当たらないところにて保存してください。
おせんべいはこうやって保存しよう!
どうやってお煎餅を保存したらいいかわからない方は「おせんべいの湿気ない保存方法をご紹介!」ページへどうぞ!

シーンごとのおすすめせんべい

若旦那の主観たっぷりのお勧め紹介
おせんべいはおいしい。どれもおいしい。わかっているけどその中で、今一番おいしいのはどれなんだ~~!?なやんじゃう~~!なんてことはありませんか?そんなあなたに私「林田拓三」がシーンごとのおすすめ煎餅をご紹介します。色々な煎餅を食べてきた主観と偏見をたっぷり混ぜて、お伝えしますので是非参考にしてください。
女の子が食べるならこれだ!
どんなにお腹いっぱいのレディーでも、甘いものは別腹ちゃん。お家で女子会するならみんなの緊張が一気にほぐれる甘いお煎餅が良いですよね!もしそんな時ケーキが出てきたら、おしゃれすぎて緊張して恐縮しちゃいますよ。白ざらめのおせんべいでバリバリと心の壁も壊したら、心ゆくまでおしゃべりを楽しんじゃってください!
男子は硬派に食べるべし!
男は黙って堅焼きせんべい。バリバリと音を立てて、米の味と醤油の奥深さを存分に堪能すべきです。素材の奥の奥に秘められた力をじっくりと、神経を研ぎすましていただくのです。お煎餅の本当のうまさを感じてください。そして、いつか語ってください。
バレンタインに愛をこめて
日本が一年で一番胸キュンになる日、バレンタインデー。恋愛に関係ある人もない人も等しくドキドキを楽しめる一日。本命チョコを片思いのあの子からうっかりもらえるんじゃないか、なんて妄想を膨らませる男子諸君に渡すなら、期待と不安、義理と人情、本命なのかなんなのか。さらなる疑問が恋を燃え上がらせちゃうのがこいつ、若旦那の絶対的おすすめ「どで開運煎餅」です!男性諸君の心をゆすって揺さぶって小悪魔を楽しんじゃいましょう。
ホワイトデーは義理に人情を添えて
男性が一番で一番困る日、ホワイトデー。バレンタインデーにもらったお返しを何にしたらいいか本当に悩みますよね。無難にお菓子をあげようかと思っていると「お菓子ばっかりもらっても困るわよね。太っちゃうじゃない」なんてこそこそ話が聞こえてきそう。かといって物にすると金額が気になって選択肢はハンカチになってしまい、今度はセンスがいいだの悪いだのと、もうどうにも選びようがなくなってしまいます。そんな時におすすめしたいのが「玉手箱」。1050円と値段が手頃で、賞味期限が長いうえ、色々な種類のお煎餅が個別包装になって入っているからお一人様でも食べやすい仕様になっています。デパートにも売っていないから、ほかの人とかぶることもありません。勝ちにいくプレゼントではなく、「負けない」プレゼントとしてオススメです!
お煎餅シーズン、冬はコタツでこれだ!
せんべいが一番おいしい季節、それはさむ~い冬。空気が乾燥してるのでお煎餅が湿気ずらく、温かいお茶が心にしみる、そんな季節です。どのせんべいを食べてもおいしく感じる季節ではありますが、その中でもオススメなのが「かきもち」甘辛いタレのかかったサクサクで柔らかい生地は、食べるとほのぼのして、寒くて固くなったからだをほぐしてくれるようです。老若男女問わず食べやすい味と柔らかさで、一家団欒のお茶の間でぜひともお召し上がりいただきたいお煎餅です。
お茶をずずずと楽しむせんべい
お茶とずずずっと楽しむならシンプルな「堅焼き」か「ひび焼き」がおすすめ!少し濃いめの醤油味とお米が絡んだ確かな味わいを楽しみながら、乾いた喉をお茶でぐっとうるおす。思わずふぅ~と息が抜けて無意識にたまっていたストレスによる緊張がほぐれていきますよ。
元気もりもり疲れに効く~!
疲れた時にはこれ!やさぐれたい気持ちの時もこれ!「にんにく」!外袋を開けた時から漂う強烈なにんにく臭は食欲を全快にしてくれ、バリバリ食べたい気持ちを全力で後押ししてくれます。熟成されたにんにくを漬けこんだ醤油はあなたの血と心を元気踊らせてくれるでしょう!
お中元、お歳暮には箱詰めを
お世話になった方への贈り物なら箱詰めをお選びください。ご希望があればのしも無料でおつけします。
イイね!こんな時、こんなおせんべい
気持ちを込めて送りたい。そんな時は文字入りのお煎餅お勧めです!大きなお煎餅にあなたのメッセージを描いてお送りします。インパクトたっぷりで送られた方の記憶に生涯残り続けることうけあいです!少々割れやすいので、ご注文の前に注意書きをよくお読みくださいね。
結婚式のサプライズに!
サプライズするなら「どで開運煎餅シリーズ」はぴったりです。衝撃的なインパクトで披露宴も2次会も会場を笑顔一色に染め上げてくれるでしょう。白ざらめで綺麗に美しく、唐辛子で激辛罰ゲーム用にjなど、用途に応じてお選びください。
お子様や健康が心配なご年配の方に
まだ醤油の濃い味を食べられないお子様や、腎臓など健康に不安をもたれているお客様には「素焼き」がおすすめです。お米本来の味と歯ごたえを楽しんでください。普通の堅さの「素焼きせんべい」ともち米で作ったやわらかめの「素焼きおかき」からお選びいただけます。

良いおせんべいって何だろう?

良いお煎餅とは何かを考える
私が煎餅屋を営むにあたって、いつも考えることがあります。全国のお煎餅を食べてブログに書いておりますが、その時もいつも思うことがあります。それは「良いお煎餅」ってなんだろう?特に「良い」ってなんだろう?ということです。「良い」という言葉は非常に抽象的です。また主観的とも言えます。人によって環境によってタイミングによって、その意味を変える言葉です。甘いお煎餅が良い時もあれば、辛いお煎餅が良い時もあるでしょう。堅いおせんべいが良い人もいれば、柔らかいおせんべいが良い人もいるでしょう。自宅で寝ながら食べるなら安いおせんべいが良いかもしれませんし、お世話になった方に差し上げるなら高いおせんべが良いかもしれません。コロコロと変わる「良い」という形容詞がついているために、良いお煎餅を追求しようとすればするほど矛盾にぶつかります。絶対的な「良い」にたどりつこうと努力すればするほど、それはコロコロと変わり、一体自分が求めているのはなんだったのかわからなくなってしまうのです。

こうなると、「良い」という言葉が意味を失ってしまいます。 「良い」ものはある、しかしコロコロと変わってしまうので定まったものではない。 あるけどないもの。つまり仏教でいう「空(くう)」なのです。

私はこの「空」に出会った時、大きな、とても大きな気づきを得ました。 迷子になって不安な心で彷徨っている時に、空を見上げたら、どんな道の上でも同じ空の下にあるんだということ。ここへ行けばいい、という正解があるのではなくて、自分自身がどこに行くのか決めて、その道々を歩く過程を楽しむ自由があるのだという気づきです。

ですから、これからお話する「良いおせんべい」とは、私が信じる良さであり、私の主観によって決めた良さです。お読みくださっているお客様の意見と合わないこともあるかもしれませんが、きっと共感をいただける所もあると思います。長い前置きになってしまいましたが、是非お読みくださればと思います。
お煎餅を分解してみた!
さて、私が考える良いおせんべいとは「おいしい」ということにのみ主眼を置いています。おいしさを考えるためには、まずお煎餅がどうやって作られているのかを分解して考察してみましょう。 まずお煎餅は小麦粉かお米から作られています。南部煎餅やイカせんは小麦から作られていて、草加せんべいやぬれせんべいはお米から作られています。当店ではお米の煎餅のみを製造販売していますので、私はお米の煎餅に限ってお話します。 お米のせんべいは普段私たちが食べている「うるち米」とおもちになる「もち米」の2種類から出来ています。それぞれ性質が違うので、この2種類のお米を混ぜて作るということは基本的にありません。うるち米から作られたものを「煎餅」、もち米から作られたものを「おかき」または「かきもち」と言い分けることもあります。また丸く平べったいものを「煎餅」と言い、粒状になったものを「あられ」といい分けることもあります。
お米について「コシヒカリ」「ヒメノモチ」輸入米など
お煎餅はお米が主原料となります。お煎餅の味を決める大事な要素です。一言でお米といっても、煎餅屋にとっては沢山の選択肢があります。まずは「国産」か「輸入米」かです。国産であれば日本では全国でとれますから、どこでとれたものを使うのか、品種はコシヒカリか、あきたこまちか、フサオトメか、そしてそれは新米か古米か。またブレンドするという手法もありますし、「加工米」といって、通常の食卓にはだせない割れてしまったお米を使うこともあります。多くの煎餅屋さんにとって加工米を使うのは一般的なことです。もともとお煎餅はお米を砕いて粉にするのですから、結果として同じことだという発想です。輸入米の場合、色々な国が考えられますが近年ではアメリカ産のお米が多いようです。全国的に販売している大手のお煎餅屋さんはアメリカ産のものを使用していることが多いです。その魅力はなんといっても価格で、国産と比べると大変そうです。
醤油と生醤油の違いはなんだろう?
「生醤油」でつくったおせんべいです、と書かれた商品を見かけることがあります。消費者の立場からみると、なんとなく新鮮な醤油を使っているというイメージがある生醤油ですが、普通の醤油とはどう違うかわかりますでしょうか? お煎餅につける醤油はお店が独自に調味料をブレンドしてお煎餅に合うよう味を調節しています。その際、醤油を煮込んで調味料を溶かすので、醤油の酸化が進みます。すると醤油の味は渋みを増し、香りが落ちます。「生醤油」とはこのように加熱をせず、また調味料を入れていない醤油のことです。ですから生醤油でつけたお煎餅のほうが醤油の味がクリアで、すっきり香りも良いということになります。しかしお煎餅は醤油をつけた後に乾燥させなければいけないので、どうしても酸化が進みますし、香りも当然落ちますから、生醤油がもつ本来の良さをお煎餅で表現することは難しいでしょう。
醤油の種類と味の違い
日本の醤油市場は「ヤマサ」「キッコーマン」「ヒゲタ」と大きな企業があり、また個人でやっているお醤油屋さんも沢山あります。どこのお醤油を使うかはそれぞれのお店の好みになるでしょうが、お煎餅に使う醤油の量はとても多いので、たいていのお煎餅屋さんは大手3社の醤油に独自の調味料を使ってお煎餅を作っています。ただ、お煎餅屋さんや醤油屋さんというのは歴史の古く、従って地元密着型の店が多いので、地元同士のつながりで個人でやっている醤油屋さんのものを使っているお店もあります。 各社各店、それぞれ味の違いがあります。比べてみないと、どれも同じ醤油に思えますが、並べてなめてみるとそれぞれ違うものだなぁと感心するものです。醤油もお酒と同じで醸造によって作られますから、同じ材料を使ってもその行程の違いで大きく味が変わります。私達が良く見る醤油として淡口(薄口)醤油と濃口醤油があります。文字だけみると淡口醤油は味が薄いように見えますが、実際には淡口醤油は見た目がクリアで淡い(薄い)ということで、味付けは濃口醤油よりも塩気が強くなっています。煎餅に使うと塩気がとんがった仕上がりになります。どちらがお煎餅にあっているということはなく、濃口に比べるとクセがないので、お米の味を生かしたい時や、生地に混ぜ物をしている場合の味を活かす時に使います。
大手が知りつくす調味料マジック
スーパーなどで出回っているお煎餅達の多くは外国産のお米が使われています。大手の煎餅屋さんは安くて大量に仕入れられるアメリカ産のお米を大型のハイテク機械で加工してお煎餅にしています。私達のような小さなお店の煎餅屋がアメリカ産のお米を煎餅にしようとすると、とてもじゃないですが品物になりません。しかしハイテク機械で加工すると普通のお煎餅として充分に楽しめるお煎餅が出来上がります。ただ、お米の味わいはほとんどなく、調味料と食感でおいしいお煎餅に仕上げています。原材料をみると大変な数の調味料が使われていて、これを巧みに調合する大手の煎餅屋さんというのはすごいなぁ、感心します。実際おいしいものが多いですからね。
お煎餅を作る行程はこんなにあります
お煎餅を作る工程は沢山あります。お米を仕入れたら「研ぎ」「製粉」「蒸し」「練り」「伸し」「乾燥」「火炉」「焼き」「醤油つけ」「乾燥」。これだけの行程を経てようやく出来上がるのです。お煎餅によっては生地を作り始めてから食べられるようになるまで3カ月もかかるものもあります。スーパーではお煎餅がとても安く売られていますが、これは大型の機械が休みなく稼働して大量に作っているので安くできるのでして、私達のような小さなお煎餅屋さんはとても同じ値段では作れませんし、販売できないことはご理解いただきたいです。もちろん高い値段に見合うだけの価値あるお煎餅をお届けできるよう日々努力を惜しまず頑張っております。
お米をどれだけ細かく粉にすべきか?
おせんべいを作る最初の大事な段階が「製粉」です。当店では臼のような仕組みの製粉機を使ってお米を細かくしています。製粉においてはどのくらい細かくするかが、後の仕上がりに大きな影響を及ぼします。細かくすればするほどお煎餅を焼いた時は膨らみ、柔らかくなります。逆に荒くすると堅いお煎餅が出来上がります。サクサクした食感にするか、バリバリした食感にするか。その食感とタレの相性はどうかなどを頭に入れて細かくしていきます。
せんべい用語「伸し」について
「伸し」とは聞きなれない言葉だと思いますが、お煎餅業界用語です。お持ちをローラーで伸ばして均一な厚みにする行程です。伸ばしながら型にはめて丸い形に切り取っていきます。型を取り換えれば四角い形や変わった形にもできますが、複雑な形にはうまく切り抜けませんし、なんとか切りぬことが出来ても、後の行程で割れやすくなってしまいます。厚みもまた食感に大きな影響を及ぼします。生地を厚くすることで堅くなり、お米の味を生かしたお煎餅が作れますし、薄くすることで柔らかくタレの味を生かしたお煎餅がつくれます。
干し方で味がちがう?そんなことあるの?
伸しが終わり切りぬかれたお煎餅の生地はそのまま乾燥にかけられます。お煎餅を乾燥させる方法には天日干し、熱風乾燥、蒸気乾燥があります。天日干しは空の下で太陽と風で乾燥させていきます。広い敷地がなければできませんが、燃料代がかからず小規模で煎餅をつくるお店には適した方法です。ですが、気象条件の影響を直接受ける上、一日では乾かず、ばらつきも多いので、天気を予測して計画的に作る必要があります。大変な手間がかかります。お日様の力でおいしくなる、と言うこだわりのお煎餅屋さんもいます。 熱風乾燥は小規模な施設で乾燥させることができる方式で、施設内で火を焚き温度と乾燥でお煎餅を乾かす方式です。建物と火を焚く装置があればできるので、投資コストを抑えることができます。しかしお煎餅を置いた位置によって乾燥の度合いがばらつくため、乾燥させるまでに何度か位置を動かさなければいけません。 蒸気乾燥はボイラーを使って蒸気を作り、それをパイプの中にとおします。パイプは棚状になっており、その棚の上に生地を乗せることで、熱と乾燥により乾かしていきます。やや複雑な仕組みになっているため、投資コストは高いのですが、生地を均一に乾かすことができ手間もはぶけます。
決定的に大事なのに謎が多い「火炉」
火炉は乾かしたお煎餅を焼く前に温めて生地の水分量を調節する行程です。この行程によりお煎餅の焼け具合が全く違ってきます。同じ生地でもこの行程を変えればまったく別のお煎餅になってしまいます。お煎餅を膨らまして軽い食感にしたければ低温でじっくり乾燥を効かせます。また堅く歯ごたえを良くしたければ乾燥時間を短くします。焼く前に行うこの行程は非常にシビアで、乾燥が足りない時間帯と乾燥させ過ぎている時間帯は長いのに、丁度よいという時間帯はわずかしかありません。職人の感のみでこの時間帯を見極める必要がある重要な行程になります。
焼き加減は職人の一芸
焼き加減は、生焼けと焦げ過ぎを除けば職人やお店の好み、そして焼き方によって決まります。良く焼いた方が表面がきつね色のおいしそうな仕上がりになり、香ばしさが増しますが、焦げのえぐみも増していきます。タレとの相性もあるので、千差万別です。
十人十色の焼き方
お煎餅の焼き方はいくつもあり、火の違いで「炭火焼き」、「ガス焼き」、「電気焼き」、焼き方の違いで「押し焼き」、「バッタ焼き」、「運行焼き」とあります。「炭火焼き」が最も火力が強く、押し焼きがもっとも手間がかかる方法です。規模の小さいお店は炭火焼きで押し焼きが多く、規模が大きくなるにつれてガス焼きや電気焼き、一度に量が焼けるバッタ焼きや大量で均一に焼ける運行焼きを用いるようになります。「押し焼き」は網の上で生地を一枚一枚ひっくり返して焼く方法です。焼いていると、生地がポコポコと泡のような膨らみ方をします。放っておくとどんどん増えて歯ごたえのない煎餅になってしまいますから、上から板状のもので押して潰してペッタンコにします。こうすることで堅いお煎餅を作ることができる方法です。「バッタ焼き」は生地を大きな網で挟んでひっくり返して焼く方法です。職人が網をひっくり返すこともありますし、機械がひっくり返すようになっていることもあります。沢山の生地を一緒に挟んでいるので、一つのお煎餅が膨らんでしまうと網が広がりお煎餅がずれたり落ちたりします。そのため先が曲がった鉄の棒で膨らみそうなところに刺して穴をあけ、生地が膨らまないようにします。または膨らまないように作った生地を使用します。 おせんべいは火力の強い炭火で焼くと非常に良い仕上がりになります。お煎餅の表面にはきめ細かい穴があき、そこへ醤油がしっかりと入っていきます。何より厚い生地のお煎餅を焼く時は炭火でないと中まで火が通りません。表面ばかり焦げてしまい、中は生焼けということになってしまいます。とても素晴らしい炭火ですが、火をおこすまでに時間がかかり、小さな釜の中でさえ火力が一定にならず、均一に焼くことがとても難しい上に、燃料コストが10倍以上かかります。また近年、炭の値段は電気やガスの値上がりをはるかに超えて高騰しており、良質な炭を手に入れて煎餅を焼くのに使うことはほとんどできません。中国産のコークスを使っているところが多いようですが、かなり質が悪く以前よりも火力が上がらず、すぐに崩れてしまうと嘆いていました。電気焼きは温度の調節がしやすく、燃料コストが小さいため使いやすい方法ですが、どうしても火力が出ないため、お煎餅の表面がのっぺりと滑った焼け具合になってしまいます。ガス焼きは炭火焼きと電気焼きの中間の性質があります。
醤油をつけるだけでも、こんなに方法があるの?
醤油のつけかたには「刷毛塗り」「手づけ」「がらづけ」「機械スプレー式」があります。刷毛塗りは一枚一枚刷毛で醤油を塗る方法です。余分な醤油がつかないので生地を活かすお煎餅づくりに適しています。手づけは醤油の入った壺の中にお煎餅をドポンといれてしまう方法です。醤油がたっぷりつきますので味が濃いめになります。「がらづけ」は円柱形の網の中におせんべいをいれ、醤油が入ったタンクの中にどぽんと入れます。引きあげた後遠心分離をおこなって余分な醤油を飛ばす方法です。沢山のお煎餅を一度に醤油づけできます。「機械スプレー式」は回転するタンクの中にお煎餅を入れグルグル回します。回っているところに霧吹きのようなもので醤油を飛ばしお煎餅に均一に醤油がつくようにします。大型の装置になりますが一度につける醤油の量を正確に計測できるので品質を一定にすることができる方法です。
お煎餅にまつわる誤解を考える
お煎餅にまつわる最も大きな誤解。それは「お煎餅は安い」というものです。スーパーで販売されているお煎餅の値段は100円~300円くらいが一般的です。量も沢山入っていて安いです。ですから決して誤解というわけでもないんです。ただ、ここまでの話を読んでいただければご理解いただけると思うのですが、お煎餅というのは必ずしも安く作れるわけではありません。たくさんの行程をオートメーション化すること、原材料を大量に安く仕入れること、そしてそれを支える販売規模を大きくする企業努力によって安くできているのであって、もし手作りでこだわりのお煎餅を作ろうとおもったら、到底あの値段で販売することは出来ません。その代わりにそれぞれ個性の光るお煎餅を作っていますから、是非食べ比べてお煎餅を楽しんでいただければと思います。

せんべいの歴史

日本のせんべいのはじまり
お煎餅は日本人には大変親しまれて、国民的なお菓子であり、随分と昔から存在するのように思われています。しかし実際、せんべいはどこから生まれきたのでしょうか?
中国からやってきたせんべいの原型
日本でのせんべいのはじまりは、中国からやってきたようです。今でいう海老せんべいや八戸せんべいのような、小麦粉を練り上げて伸ばし、焼きあげるものだったようです。それがいつしかお米からも作られるようになりました。
お米のせんべい誕生の地
お米のせんべいは何時、どこから生まれたのか。調べてみましたが、確かな資料は見つかりませんでした。最もよく言われているのは、草加市発祥説です。昔、道北から東京(江戸)へ向かう道中にお団子屋さんがあり、その店で働いていた女性が余った団子がもったいないのでペッタンコにして焼いてみたところ、おいしいと評判になったというものです。どこか昔話風で、根拠となるような詳しい資料が見つからないので、半分作り話ではないかと思うのですが、これ以外の有力な説がないところをみると、私が思うにはこの逸話のように自然発生的に生まれたお菓子なのでしょう。
模倣の法則。良いものは伝播する。
だれかが作ったはじめてのお煎餅。恐らくこの評判が広がっていき、それならおいらも作ってみようかい!と真似する人々があらわれ、全国に広まっていったのではないかと推測されます。
変化。地域性が生まれたせんべいの兄弟たち。
せんべいには地域性があります。青森の方は八戸せんべいのような小麦粉で作ったもの、北陸は何かを混ぜた煎餅が主流で、関東は醤油の厚めに作ったもの、関西はもち米で作られたあられ、四国は海産物とあわせたせんべい、九州は西洋風の小麦粉のせんべい。地域の特性や好みによって、煎餅の形は独自の変化を遂げていったようです。

おせんべいの今を知る

おせんべいの今

日本の国民的お菓子「おせんべい」。今も昔と変わらず親しまれておりますが、お煎餅屋さんの数は減り続けております。細々と営んでいた町のお煎餅屋さんは後継者不在のため閉店していってしまうのです。そしてそのお煎餅屋さんに卸していた、中堅規模のお煎餅屋さんもじょじょに縮小を余儀なくされ、廃業してしまっているのです。その一方、大手のお煎餅屋さんは縮小傾向の国内マーケットから海外に売り先を広げ、現地にあった味付けの研究などをして業績を上げています。

お煎餅屋さんの姿の違い

お煎餅屋さんと言っても、実は色々な形の業態があります。

1、お煎餅の生地だけを作って売っている

2、お煎餅の生地を仕入れ、焼いて作って売っている

3、出来上がったお煎餅を自社パっケージにかえて売っている

4、パッケージ化されたものを仕入れて売っている


A、卸売りをしている

B、小売をしている

C、仲卸をしている


α、お煎餅の機械を作っている

β、お煎餅の機械の修理をしている


X、国内で販売している

Y、海外で販売している


実際にはこれらが入り混じり、規模の大小が組み合わさり、色々なお煎餅屋さんが存在しています。


最新の機械でどんどん攻勢「大企業」

お煎餅屋さんの中で最も元気なのが大企業です。 最新の機械と、海外のお米を上手に使うことで安価に煎餅を作り、スーパーなどで多くの人たちにおいしいお煎餅を安く販売しています。 海外展開も増やし、その販売エリアを拡大しています。


じり貧に苦しむ「中企業」


今最も苦しいのが中堅の企業です。 スーパーなどでは大手にかなわず、他に卸そうにも小さいお店は減る一方。海外に展開する力や体力がなく、まさにじり貧。おせんべいは超保守的なお菓子で、慣れ親しんだ味が好まれ、新商品はほとんどヒットしないと言われているため、研究開発もなかなか実を結ばず八方塞がりの状態です。自社で店舗を構えているところは良いのですが、卸専門のお店はどんどん廃業しているようです。


減り続ける後継者「小会社」


町の小さなお煎餅屋さんは後継者不在のため減り続けています。もともと農家だった方が余ったお米を煎餅にして売っていたという経緯の場合、そもそも経営規模が小さく、お煎餅屋だけでは食べていけないため、子供が引き継ぐ魅力がありません。お煎餅づくりは重労働であり、また機械設備がある程度必要なため、引き継ぐよりもお勤めをした方が収入は多くなるので、やはり引き継ぐ気になれないのでしょう。また商圏が田舎なので、過疎化が進むと売上はどんどん減少していきますし、経営者は高齢化が進んでいるのでインターネットを使った通販なども取り組むことが難しくなっており、廃業しないほうが難しいような状態になっています。


なぜ?煎餅屋があまり変わらないワケ。


お煎餅屋さんは今も昔もあまり変わっていません。もちろん都会のお煎餅屋さんは工夫をこらし変わり種のお煎餅を開発したり、パッケージを美しくして贈答用に販売したりと、頑張っていますが、その数はほんの一握りです。


その理由は

1、お煎餅からは新商品が生まれにくいこと

2、お煎餅屋は安いものという、常識が単価を上げにくく利益を生みにくいこと

3、お煎餅づくりは重労働なため、学のある方はやらないこと


にあるのではないかと考えられます。

商品は変えられない、値段は安いまま、作業は大変。
お煎餅屋を取り巻く環境は大変厳しいものです。


(草加の自動醤油付け機)


高すぎる新規参入の壁


そしてもう一つの理由が競合が参入してこないということです。 お煎餅屋を始めるには、様々な機材が必要です。初期投資にお金がかなりかかるため、一からお煎餅屋さんを始めることは非常に困難です。金銭的なもののみならず、技術もほとんど公開されておらず、煎餅づくりに関する資料や書籍は皆無です。 そのため競争原理が働きにくく、変化が起きづらい環境にあるのです。

(お煎餅の機械屋さん)

細く長く、確かなものを残す道のり


林田のおせんべいはお煎餅を営むのに非常に恵まれた環境にあります。成田山の参道という、販売に恵まれた立地であり、また醤油工場の多い銚子、野田が近く、またお米もとれるので良い原材料が新鮮で安価に手に入り、また代々大切に機械と技術が受け継がれているため、苦しい環境にも関わらず元気に営業致しております。炭焼き、手焼き、バッタ焼き、うるち米やもち米からの生地作りまで、将来にわたってこの技術と価値を伝え続けるため、これからも細く長く頑張ってまいりたいと考えております。


(紀州備長炭により炭火)

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